ヨモギについて詳しく知る

このページを読んで頂くことで、人類がヨモギを利用してきた歴史を見てヨモギに期待できる効果などを見直し、今生きている私達の生活に活かすことが出来ます。
この記事が、身体の中からも外からも良くしてくれる効果を持つ「ヨモギ」について、理解を深めるきっかけになったら幸いです。
ヨモギについて詳しく知ったうえで、最後に添えさせて頂いた宮坂山脈の「春ヨモギバーム」について読んで頂けますと当店がこだわったポイントについて深くご理解頂けると信じております。

yomogi
 

ヨモギはキク科ヨモギ属の多年草です。
そのあたりの道によく生えていて、葉の裏に白い産毛が生えています。
誰もが一度は見たことがあるような、どこにでもありふれた珍しくない植物なのですが、実はとてもパワーを持った奇跡の「薬草」なのです。

日本や海外で昔から利用されてきた「ヨモギ」


在来種であり、日本でははるか昔から自生しており和名の「ヨモギ」の由来はハッキリと分からないようです。
気付いた時には生えていた。そんな風に言われたら納得してしまいますよね。

出典:掘り出された聖文3 ー縄文時代中期遺跡発掘調査の記録ー

アイヌでは神様として祀られています。アイヌ語でヨモギを「ノヤ」(noya)と呼ぶそうです。

ヨモギ属の属名 Artemisia は、ギリシャ神話に登場する女神アルテミスに由来しています。
「女性の健康の守護神」という意味で、月経痛・生理不順・不妊に効果があるとされていることから属名がつきました。
効能から名前がついた、ひとつの例ですね。
それだけヨモギの効能が一般的に知られていたのでしょう。
他にも「ハーブの女王」や「和製ハーブ」とも呼ばれています。

出典:ヨモギ、それは月の女神の妙薬?その驚異の効能とは… tenki.jp

昔から人類に利用されてきたヨモギは、例えば日本では食料、お茶、薬、お灸、風呂、煙草、染料、生活用品、神事など、様々なものに使ってきました。

浄化作用もあるとされており、日本の他にヨーロッパでも浄化に使われていました。
韓国では伝統的にヨモギが使われており、料理やよもぎ蒸しなども最近では有名です。
ヨーロッパやアメリカにも薬として使われてきた歴史があります。
中国では漢方で、様々な症状の治療に使われてきました。
漢方の知識を少し深めてみましょう。

一般的に植物にはそれぞれ、身体を冷ましたり温めたり、トウガラシや生姜のように身を熱するなどの性質があります。
ヨモギはその性質が、季節によって変化する珍しい植物でもあります。
1月〜6月の新芽や若葉は「微温」ですが、7月〜12月の古葉は「熱性」なのです。

どういうことかと言うと例えば、熱による症状にヨモギを服用してしまうと体調が悪化する可能性がある、ということが分かるのです。
ところが逆に、「ヨモギ蒸し」に冷え性を改善する効果があることにも納得がいきますね。

身体の内側での効果


ヨモギの「旬」は3月〜5月で、草餅が有名です。
おひたしなどでも食べられていますが、天ぷらにするとヨモギ独特の香りと、旬を感じる山菜の苦味がとても美味しいのです。
春を過ぎると茎が硬くなってしまうので、特に春先の新芽が美味しく召し上がれます。

 

ヨモギの主な栄養素はカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルや、ビタミンA、B1、B2、C、Kが豊富です。
特にビタミンKは野菜の中でもトップクラスの含有量で、更にβカロテンはホウレンソウの3倍とも10倍とも言われます。

老廃物を外に出してくれるデトックス効果や、血液をサラサラにしてキレイに保ってくれます。
不溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を整えてくれます。
身体を温める性質があり、冷え性や更年期障害の改善をしてくれます。
主成分であるクロロフィルが余分な悪玉コレステロールを吸着し、コレステロール値を下げてくれます。
最近では科学的にも、活性酸素除去作用、抗酸化抑制作用、抗糖尿病作用、免疫調節作用などがあることも分かっています。

若返りの薬草と呼ばれていることにも納得できますね。
もっと言いますと、ヨモギの葉緑素は免疫誘導体であるインターフェロンを含有するうえ、体内のインターフェロンを増やしてくれる働きがあり、実際にマウスのガンを小さくさせた実験結果も報告されています。
ウイルスを発ガンプロモーターとするガン(根源のガン細胞)に対する予防効果があるということです。
ヨモギの葉緑素の効果を得たい場合は、生のヨモギを服用し続けると効果的なのではないでしょうか。

身体の外側での効果


ヨモギには抗菌作用や抗炎症作用があり、肌にとても良いのです。
アトピーの治療にも利用されています。
また、切り傷には手のひらでヨモギの葉をすり潰し、患部に塗ると止血効果があることは田舎の高齢者の方々の間では常識のようになっています。
更に言うと、春のヨモギよりも夏のヨモギの方が止血効果が高いと地元のおじさんが言っていました。
もしかすると夏のヨモギの方がビタミンKの含有量が多いのかもしれません。

 

冷え性の改善にヨモギが利用されることも多く、療法としてはよもぎ蒸しが有名です。
よもぎ蒸しは、中国の楊貴妃が開発されたと言われており、600年〜700年前に韓国に伝わってから民間療法として広まったようです。
やり方としては、まず裸でマントを被り、穴が空いた専用の椅子に座ります。
椅子の下からヨモギを煎じた蒸気を出して、デリケードゾーンの粘膜を中心に、体全体で浴びて吸収させていきます。
身体の内側から温めていく療法で、施術の最中はしっかり汗をかきます。

産後ケアとして使われることが多く、大きくなった子宮や産道を収縮させて元に戻す子宮復古や、膣の収縮、血流の回復など「産後の肥立ち」にも良いとされています。
低体温症、むくみ、月経不順、新陳代謝の改善などの効果が期待できます。

よもぎ蒸しの効能を見てみると、お灸のもぐさにヨモギが使われていることにも納得できますし、ここまでの効能を見てみると、アルテミスの属名がつくほど女性の味方なのも納得です。

出典:よもぎ染めでシルクストールを染める方法 つぎいろ

ヨモギはその他にも、衣類の染料としても利用されていました。
抗菌作用も期待できることでしょう。
媒染によって変わりますが、黄色〜黄緑色〜若竹色〜老竹色に染まるようです。
防虫効果もあるため、衣料や寝具に利用されることもありました。

 

アロマとしても利用されており、ヨモギの香りのβ-カリオフィレンは、女性ホルモンに働きかけ整えてくれる効果があります。
更にシオネールには、高ぶった神経を鎮静化させ、睡眠の質を高めてくれます。

食べても塗っても、香りでも女性の味方をしてくれる存在なのですね。
色々な使い方をしても、似たような効能を得られるのが不思議に思えませんか?

余談になりますが、ヨモギの花の周辺部はおしべの無い雌性花、中心部はおしべ、めしべが揃っている両性花で、いずれもが結実します。
花弁部分は赤褐色です。
属名にArtemisiaを選んだ人の気持ちが少し分かる気がしてきます。

宮坂山脈の「春ヨモギバーム」のこだわり


ここからは当店のハンドクラフト春ヨモギバームのこだわりを書かせて頂きます。

宮坂山脈の春ヨモギバーム
 

まず当店のヨモギバームは、

  • 春ヨモギの新芽
  • 太白胡麻油
  • 未精製の蜜蝋

上記3種類の素材のみしか使用しておりません。
また、春のヨモギしか使用しておりません。

保存料はもちろん未使用かつ、金属製の容器は使用しません。
※製造バッチによってはフランキンセンスなどを入れる場合もあります。

材料その1春ヨモギの新芽


全て信州産の春ヨモギの新芽のみを使用しています。
美味しく食べられる、柔らかい部分のみを使っているということです。

 

上で解説した通り、ヨモギは春と夏以降の季節では性質が変わります。
7月以降のヨモギは「熱性」で、身体の状態によっては毒にもなり得るため、強過ぎる刺激を避けています。
そのため、当店の春ヨモギバームは小さなお子様にも使って頂けます。
(万が一のため赤ちゃんに初めて使う際には、肌の反応を確かめるため極少量で様子を見て下さい)

今まで一般で販売されているものは成分が強過ぎる、と感じたことがある方には是非一度使って頂きたいです。

ヨモギの「旬」は3月〜6月と言われていますが、旬のものは生命力が強く、栄養価も高くなっています。
古くから日本では、なるべく旬のものを食べましょうという風習があります。
旬とは、その時期の植物がエネルギーを蓄えている時期なので、それを取り入れて健康に生きていきましょう、ということなのです。
具体的に言うと、旬の植物はケイ素を多く含んでいるということです。

ケイ素が野生植物や生態学において注目されるようになったのは、ごく近年のことですが、最近ではケイ素、シリカ、ソマチッドなどの名称を聞いたことがある方も少なくないかと思います。
ケイ素の研究にはまだまだ伸び代がありますが、人間が健康に生きていくために大切な要素だと分かってきています。
更に、ケイ素は肌の再生と活性酸素除去にも優れています。

もしも身近に、松の葉を日常的に摂っている方がいれば、体調の変化などのお話しを聞いてみて下さい。
松葉は一年中ケイ素をたっぷり含んでいるので、貴重な体験談を聞けることでしょう。
ケイ素は身体の中からも外からも良い働きをしてくれます。
ヨモギの持つ抗酸化作用、抗炎症作用、そして春ヨモギのケイ素で肌に復活するエネルギーを与えてくれます。

 

材料その2太白胡麻油


当店のヨモギバームのレシピは、誰でも作れるレシピです。
おうちでヨモギバームを作られている方も沢山いらっしゃいますが、殆どの方が太白胡麻油を使用しています。

太白胡麻油とは、生の白胡麻を絞った胡麻油のことであり、メーカーの名前ではありません。
料理に使われている胡麻油は、白胡麻を焙煎して絞った胡麻油です。
色や香りにハッキリとした違いがあります。

出典:暮らしに活かすアーユルヴェーダ -ジッセン編-

5000年の歴史を持つインド・スリランカ発祥の伝統医療であるアーユルヴェーダでは、生の胡麻油を使用しています。
理由としては、アーユルヴェーダの考え方の中に出てくる「ヴェーダ」の過剰な働きを緩和させたり、沈静化させる効果がある、ということですが、

その他としては老化の原因とされる活性酸素を除去する作用があったり、酸化安定性が強く、酸化させにくかったり腐りにくくさせる効果も見込めます。
ヨモギの作用との相乗効果が期待できます。

当店では、土鍋に入れた太白胡麻油で春ヨモギの新芽をドサッと、愛情たっぷりで丁寧に煮込みます。
成分を全て胡麻油にじっくりと出していきます。

 

材料その3未精製の蜜蝋


蜜蝋ワックスには、保湿効果があります。
ヨモギ、胡麻油と更に相乗効果が期待できます。
当店のバームには、全て信州で育てられた蜂が作ってくれた蜜蝋を使用しています。
当店で取り扱う菊芋チップスの製造元である須長食菌さんは養蜂も行っているのです。
現在のバッチは西洋ミツバチの蜜蝋ですが、次回以降のバッチでは日本ミツバチの蜜蝋も使用します。

ハチミツを絞った後、蜂の巣を温めて溶かし、
細かいゴミの除去のためにザルで濾しただけの、未精製の蜜蝋です。

また、ヨモギバームが1歳未満の赤ちゃんの口に入らないようにして下さい。
蜜蝋やハチミツには、ミツバチが運んだ花粉にポツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあり、
その菌により乳児ポツリヌス症を引き起こす可能性があります。

赤ちゃんにバームを使用する際には、肌の反応を確かめるため最初は極少量からお試し頂き、
口に入る可能性がある部位(口の周りや手や指など)にはご使用されないで下さい。

当店のバームでは、ヨモギ成分の濃度をなるべく高く保つため、蜜蝋は最小限のみしか入れておりません。
そのため、夏場の暑い車内などにバームを置いておくと液体に戻ることがあります。
やむなくそういった環境にバームを置く場合には、液体に戻っても中身がこぼれないように天地を確認して置いて下さい。
一度液体に戻っても冷ませば再度固まり、問題なく使用できます。
万が一問題が発生した場合は、遠慮なく当店までご連絡下さいませ。

宮坂山脈の「春ヨモギバーム」の原料は1年に1回しか作りません


当店では、あくまで柔らかくて、生命力が溢れている春ヨモギの新芽のみを使用することにこだわっています。
そのため、生産量には限りがあります。

ヨモギを採って来たその日のうちにヨモギオイルを作り、光が入らない場所でヨモギオイルを保管します。
このオイルに蜜蝋を溶かして商品を作っていくのですが、このオイルが終わったらその年のヨモギバームは完売になります。
一度にオイルを全てバームにするわけではなく、現在の在庫が売り切れたら次のバッチを作る、という流れで販売しております。
また、ハンドクラフトで作っておりますので、品質のばらつきがあることは予めご了承下さい。

蜜蝋も、西洋ミツバチのものや日本ミツバチのものなど、バッチごとに違います。(いずれも信州産)
バッチごとに容器が変わることもございます。
「春ヨモギバーム」に関するその他の最新情報につきましては、当店のブログにて発信してまいりますのでご参照下さい。

「春ヨモギバーム」はこんな時にご使用ください

  • 蚊やアブなどの虫刺されの痒み止めに
  • あせも、かぶれ、乾燥に
  • 手指や肌の日常の手入れや保湿に
  • 乳児性湿疹に
  • アトピーなどのケアに
  • 湿疹などのケアに
  • 肌の炎症や化膿止めに
  • リップバームの代わりに
  • 手に余ったバームは髪にも

その他にも、リピーターのお客様からは「肌質が柔らかくなった」というお声も頂いております。
もしも気に入って頂けた場合、上記以外の肌のトラブルにもご使用下さい。
※こちらはヨモギの効能に基づいた使用例であり、春ヨモギバームの効果効能を保証するものではありません。